平成21年度1次試験解答:経営法務
設問16
解答:設問1:イ 設問2:ウ 設問3:エ
(イ) | 合同会社の常務に属する業務以外の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。有限責任事業組合も重要な財産の処分および譲受けや多額の借財という業務執行を決定するには、総組合員の過半数の同意によらなければならない。 ⇒×:合同会社の常務に属する業務以外の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。有限責任事業組合も重要な財産の処分および譲受けや多額の借財という業務執行を決定するには、総組合員の同意によらなければならない。 |
(ウ) | 合同会社は社員1名でも設立できる。これに対し有限責任事業組合は、2名以上の個人または法人の組合員が必要となる。ただし、組合員のうち過半数以上は、日本の居住者または内国法人でなければならない。 ⇒×:合同会社は社員1名でも設立できる。これに対し有限責任事業組合は、2名以上の個人または法人の組合員が必要となる。ただし、組合員のうち1人以上は、日本の居住者または内国法人でなければならない。 |
(エ) | 特定非営利活動法人を設立するためには、定款、役員名簿、社員7名以上の名簿、設立趣旨書などの必要書類を添付した申請書を所轄庁に提出して、設立の認証を受けなければならない。 ⇒×:特定非営利活動法人を設立するためには、定款、役員名簿、社員10名以上の名簿、設立趣旨書などの必要書類を添付した申請書を所轄庁に提出して、設立の認証を受けなければならない。 |
設問17
解答:イ
ブック・ビルディングは、一般的に需要積み上げ方式と呼ばれ、引受証券会社が、以下のプロセスに基づいて、新たに公開(=新規公開)予定の会社の公開価格(=発行価格)を決定する方式のことをいう。
- 株価算定能力が高いと思われる機関投資家等の意見をもとに仮条件を決定する。
- その仮条件を投資家に提示し、投資家の需要状況を把握することによって、マーケット動向に即した公開価格を決定する。
1997年8月までは、株式を新規に公開する場合、入札方式しか認められていなかったが、入札方式の問題点(公開価格が高く設定されがちであり、公開後の株式の円滑な流通に支障を来たすことがある)等が指摘され、同年9月以降に公募等に係る取締役会決議をおこなう新規上場申請会社は、新規公開についてブックビルディング方式か入札方式のいずれかを選択することができるようになった。
したがって、イが正解である。
設問18
解答:設問1:ア 設問2:ウ
(ア) | このような有償取得では、あらかじめ株主総会で株式の取得に関する事項を決議しなければならない。この決議は臨時株主総会でもよいが、取得することができる期間は、次回の定時株主総会の期日を越えることはできない。 ⇒×:このような有償取得では、あらかじめ株主総会で株式の取得に関する事項を決議しなければならない。この決議は臨時株主総会でもよいが、取得することができる期間は、1年以内である。 ▼会社法 (株式の取得に関する事項の決定) 第156条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 1.取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 2.株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 3.株式を取得することができる期間 |
(ウ) | 特定の株主から自己株式を有償で取得することについて、売主追加請求権の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。この定めをするには、株主総会の特別決議が必要となる。 ⇒×:特定の株主から自己株式を有償で取得することについて、売主追加請求権の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。この定めをするには、株主全員の同意が必要となる。 ▼会社法 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第164条 1. 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第160条第1項の規定による決定をするときは同条第2項及び第3項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2. 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 |