平成24年度1次試験問題:経営情報システム
設問1
コンピュータには様々な記憶装置が使用されている。そのうち、半導体を利用した記憶装置は処理速度や信頼性に影響を与えるなど、重要な役割を担っている。用途に適した半導体の記憶装置が装備されたコンピュータを選択できるように、その特性を把握しておくことが必要である。
半導体を利用した記憶装置の特性に関する記述として最も適切なものはどれか。
【解答郡】 (ア) RISC型プロセッサの主記憶装置はSRAM を使用し、CISC型プロセッサではDDR-SDRAMを使用しているので、RAMを増設する場合はメモリの種類を確認する必要がある。 (イ) 主記憶装置として利用するRAMにはメモリインタリーブに対応したものと対応していないものがあるので、RAMを増設する場合はこの点を確認する必要がある。 (ウ) 信頼性が高いコンピュータが必要な場合は、ECCによる誤り訂正機能がついたRAM が装備されたコンピュータを使用することが望ましい。 (エ) マスクROMは電源を切っても記憶内容が保持され、また、内容の消去や書き込みが可能なので、バージョンアップが必要なBIOS の記憶に向いている。
設問2
近年、多様なコンピュータが登場しつつあるが、その基本的動作原理は同じである。それを把握しておくことで、新たな技術の理解も早くできる。下記は、コンピュータの構成要素とそれらによってコンピュータの基本機能が実現される過程を記述した文章である。
以下の文中の空欄【 A 】〜【 D 】に入る言葉の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
1.データおよび処理命令が主記憶装置に記憶されている。
2.【 A 】の指示で、主記憶装置に記憶されたデータおよび処理命令は、【 B 】に転送される。
3.【 B 】では、処理命令に従ってデータを処理し、【 A 】の指示でその演算結果を転送させて【 C 】に記憶させる。
4.【 C 】に記憶された演算結果は、【 A 】の指示で【 D 】 に転送されて出力される。
【解答郡】 (ア) A:演算装置 B:制御装置 C:主記憶装置 D:出力装置 (イ) A:演算装置 B:制御装置 C:補助記憶装置 D:主記憶装置 (ウ) A:制御装置 B:演算装置 C:主記憶装置 D:出力装置 (エ) A:制御装置 B:演算装置 C:補助記憶装置 D:主記憶装置
設問3
コンピュータは多様な業務に利用される。コンピュータの処理能力は様々な要因に左右され、処理能力に影響を与える特性や、それを評価する指標が複数存在する。適用業務の処理に十分な能力のコンピュータを選択するためには、これらの内容を適切に理解することが必要である。
以下の記述の中で最も適切なものはどれか。
【解答郡】 (ア) コンピュータのCPUと主記憶装置間の転送速度を表す内部クロック周波数は、値が大きいほど転送速度は速くなる。 (イ) 整数演算の回数を表すFLOPSは、科学技術計算では処理速度の参考にはできない。 (ウ) ひとつの命令を実行するためにクロック周期が何サイクル必要かを表すCPIは、値が小さいほど演算処理速度は速い。 (エ) プログラム中の命令のステップ数を万ステップ単位で表したMIPSは、値が小さいほどコンパクトなプログラムであり、処理速度も速い。
設問4
ソフトウェアのバグやセキュリティ上の不具合の修正が行われた場合、適切に対応することが必要である。
ソフトウェアの修正が行われた場合の対応に関する、以下の文中の空欄【 A 】〜【 C 】に入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
コンピュータ上では各種業務について目的別に利用する【 A 】ソフトウェアと、コンピュータの資源を効率よく利用するための【 B 】ソフトウェアがある。これらのソフトウェアはいずれも随時改良が行われるが、小さな不具合の修正を行う場合は修正部分だけを抜き出した【 C 】をユーザに配布することが多く、この修正部分を入れ替えればよい。
【解答郡】 (ア) A:アプリケーション B:システム C:パッチファイル (イ) A:アプリケーション B:パッケージ C:シェル (ウ) A:システム B:パッケージ C:カーネル (エ) A:パッケージ B:アプリケーション C:パッチファイル
設問5
業務の処理にソフトウェアを使用する場合、中小企業診断士が、そのソフトウェアの利用を支援するだけでなく、状況によってはソフトウェアそのものの開発にかかわったりする場面もある。ソフトウェアの機能や開発に関する記述として最も適切なものはどれか。
【解答郡】 (ア) OS とは、BIOS(Basic Input/Output System)に先立って起動し、ディスプレイやキーボードが使えるようにするソフトウェアである。 (イ) コンパイラとは、高級言語で書かれたプログラムをコンピュータが実行可能な機械語に翻訳するソフトウェアである。 (ウ) ミドルウェアとは、FORTRANなどの第一世代高級言語とCやJavaなどの第二世代の間に登場したプログラミング言語である。 (エ) リンカとは、ネットワークを機能させるソフトウェアである。