労働基準法1
労働基準法とは労働条件に関する基本法規であり、労働者が人たるに値する生活を営めることを目的として必要な労働条件(賃金、労働時間、解雇、待遇)の最低基準を定めた法律である。
一般的に労働者は使用者に対して経済的に弱い立場にある。使用者が勝手に賃金や労働時間などの労働条件を決めてしまうと、労働者は大変不利な条件で働くことになる。
その為、労働基準法では労働条件に一定の基準を定めて、労働者を保護する。
労働条件の優先順位
法令 | 労働基準法を中心とする一連の労働法規 |
労働協約 | 労働組合が、会社との団体交渉によって合意した内容を書面化したもの |
就業規則 | 労働条件や給与などの事項について会社が定める規則 |
就業契約 | 一定の対価と引き換えに、一定の労働条件の元で労働を提供する契約 |
労働協約
労働協約とは、使用者と労働組合との間で合意した内容を書面化した協定であり、原則として、組合員にのみ適用される。
組合が使用者との間に賃金、労働時間、休日などの職場の労働条件などの取り決めを行なうものである。
就業規則
就業規則とは、労働条件や給与などの社内の労務管理のもっとも基本的なルールを定めるものである。
就業規則は3つに大別される。
- @絶対的記載事項(必ず記載しなければならない事項)
- 始業・就業時刻、休日、休憩時間、休暇、後退勤務の実施方法
- 賃金の決定・計算・支払い方法、締切り、支払い時期、昇給
- 退職に関する事項
A相対的記載事項(定めがある場合には記載が必要)
- 退職手当の適用を受ける労働者の範囲、金額の決定、計算方法、支払方法、支払い時期
- 賞与などの臨時の賃金、最低賃金
- 労働者が負担する食費、消耗品の費用
- 安全衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償、業務外の疾病扶助
- 表彰、懲罰の種類と程度
- その他当該事業場の全ての労働者に適用される事項
- B任意的記載事項(定めておきたい事項があれば記載)
- 従業員心得
- 福利厚生に関する事項
過去問題 |
労働契約
労働契約とは、労働者が使用者に労働力を提供し、これに対して賃金を支払うことを約束するもの。
個人が使用者との間に賃金、労働時間、休日などの職場の労働条件などの取り決めを行なうものである。
ただし、以下のような労働契約は無効としている。
- 3年を超える期間を定めた労働契約
- 組合活動をしないことを雇用条件とする契約
- 違約金及び損害賠償額の予定の特約
- 賃金と前借金との相殺
- 強制貯金を定めた契約
過去問題 |