平成24年度1次試験問題:企業経営理論
設問26
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
関与と知識は消費者行動、とりわけ購買意思決定に大きな影響を及ぼす。たとえば、消費者が重視する情報源は、関与と知識の水準によって表のように異なっている。
(設問1)
文中の下線部の「関与」に関する記述として最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 感情的関与によって形成された態度は変化しにくい。 (イ) 関与が高まってくると消費者の情報処理は単純化される。 (ウ) 関与が高まってくると消費者の注意や情報探索の量が増加する。 (工) ブランドに対する関与の水準は、そのブランドを含む製品カテゴリーに対する関与に規定される。
(設問2)
この図から読み取ることのできる消費者の受容価格帯として最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) A:製品仕様書 B:店頭の現物 C:販売員の説明 D:テレビCM (イ) A:製品仕様書 B:販売員の説明 C:店頭の現物 D:テレビCM (ウ) A:テレビCM B:製品仕様書 C:店頭の現物 D:販売員の説明 (工) A:テレビCM B:店頭の現物 C:販売員の説明 D:製品仕様書 (オ) A:販売員の説明 B:テレビCM C:製品仕様書 D:店頭の現物
設問27
消費者行動に影響を及ぼす社会的要因のひとつである準拠集団に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 近年家族の個人化が進んでおり、家族の消費者行動への影響を分析する際には、ライフサイクルだけでなく、ライフコースにも注目する必要がある。 (イ) 準拠集団とは、家族、職場、世代など、個人が直接・間接に所属している集団のことである。 (ウ) 準拠集団は消費者にとって、情報源となるだけでなく、価値観や規範の形成要因ともなる。 (工) プライベートな場面で使用される製品よりも、パブリックな場面で使用される製品の方がそのブランド選択において準拠集団の影響は大きくなる。
設問28
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
モチベーション・リサーチでは、消費者の購買行動の根底にある深層心理を探るため、様々な定性調査手法が用いられる。たとえば、@ 「ダイエットについて一般的な主婦はどう考えているでしょうか」といった質問への回答が専門家によって分析される。
モチベーション・リサーチの方法論には、Aいくつかの問題点が指摘されていたが、近年、インターネット調査とテキスト・マイニングを用いることでその問題が克服されるようになっている。
(設問1)
文中の下線部@のような調査手法の名称として最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 語句連想法 (イ) 第三者技法 (ウ) 文章完成法 (工) 物語法 (オ) ロールプレイング法
(設問2)
文中の下線部Aに関連して、モチベーション・リサーチの方法論上の問題として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a | サンプル・サイズの確保が困難。 |
b | 解釈の客観性の確保が困難。 |
c | ビジュアル助成が困難。 |
d | 非合理的な動機の把握が困難。 |
【解答群】 (ア) aとb (イ) aとd (ウ) bとc (工) bとd (オ) cとd
設問29
カップ麺、レトルト食品、アイスクリームなどの容器を中心とするプラスチック製品の製造を行うA社では、レトルトタイプの画期的な食品容器の開発に成功した。この新製品は次のような特徴を有している。
非常に気密性が高く、これまで流通・消費において冷蔵を要した商品を、一度開封するまでは常温で保存することができるため、スーパーの冷蔵棚に陳列されている商品の多くに使用可能と考えられる。また、成形が容易で様々なサイズ展開ができる上に、開封後も再封できるため消費者にとっての利便性も高い。
同社は、このような特徴をうまくアピールして、同社とこれまで取引のなかった納豆、漬物、練り製品などの食品メーカーに販売することを計画しているが、そのマーケティングとして、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 営業のプレゼンテーションにおいて、自社の企業理念が顧客志向であることを訴求する。 (イ) 大手メーカーの受注を確保するため、製品形態に加え、サービス対応や配送なども徹底的に当該顧客のニーズに合わせてカスタマイズする。 (ウ) 製品特性を活かして、小売店での陳列などを含めた提案営業を行う。 (工) パブリシティや広告などの非人的情報によるプロモーションを行う。
設問30
次の文章は、ブランドの機能について記述したものである。空欄【 A 】〜【 D 】に入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
ブランドは製品やその販売者を識別する印として【 A 】の基礎となると同時に、製品に関する責任の所在を明確にすることで品質や機能を保証する役割を果たす。これがブランドの基本機能であるが、優れたブランドが有する機能はこれだけにとどまらない。
たとえば、これまでに食品や飲料のブラインド・テストでたびたび示されてきたように、ブランドが消費者の【 B 】を変化させることがある。また、「○○ならば耐久性は心配ないだろう」というように、購買行動における消費者の情報処理をブランドが単純化することもある。
こうしたブランドの諸機能によって、競合他社に対して個別市場を形成することで【 C 】が可能になる。また、消費者の【 D 】を形成することで、流通組織化の基盤をつくることができる。
【解答群】 (ア) A:差別化 B:態度 C:プレミアム価格 D:ブランド・アイデンティティ (イ) A:差別化 B:知覚 C:プレミアム価格 D:ブランド・ロイヤルティ (ウ) A:市場細分化 B:態度 C:価格競争 D:ブランド・アイデンティティ (工) A:市場細分化 B:知覚 C:価格競争 D:ブランド・ロイヤルティ