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平成24年度1次試験解答:企業経営理論

設問1

解答:オ

ドメインとは、企業が定めた自社の競争する領域・フィールドのことである。

  • 企業ドメインは、企業が活動や事業展開を行う領域のこと。
  • 事業ドメインは、各事業を行う領域のこと。
(ア) 企業ドメインの決定は、通常、新たに進出する事業における自社の競争力と当該事業の発展性を判断基準とし、当該事業の他事業への波及効果は個別事業選択の判断基準として考慮されていない。
→×:企業ドメインの決定は、通常、新たに進出する事業における自社の競争力と当該事業の発展性を判断基準とし、当該事業の他事業への波及効果も加味して判断することとなる。
(イ) 企業ドメインの決定は、通常、企業にとって多角化の広がりの程度を決め、個別事業の競争力を決める問題である。
→×:個別事業の競争力を決めるのは事業ドメインである。
(ウ) 企業ドメインの決定は、通常、多角化した複数事業間の関連性のあり方に影響するが、集約型の事業間関連性パターンでは規模の経済を重視して資源を有効利用しようとする。
→×:企業ドメインの決定は、通常、多角化した複数事業間の関連性のあり方に影響するが、集約型の事業間関連性パターンでは範囲の経済を重視して資源を有効利用しようとする。
(工) 事業ドメインの決定は、通常、企業のビジョンの枠を超えて企業のアイデンティティの確立を規定し、企業の境界を決める。
→×:事業ドメインの決定は、通常、企業のビジョンの枠を超えて企業のアイデンティティの確立を規定し、企業の境界を決めるのは、企業ドメインである。
(オ) 事業ドメインの決定は、通常、設定された領域の中で事業マネジャーにオペレーションを行う自律性を与える。
→○:事業の責任者である事業マネージャは事業ドメインで規定される領域である。

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設問2

解答:ア

(ア) 外的な成長誘引は、通常、企業を新たな事業へと参入させる外部環境の機会もしくは脅威のことである。
→○:外的な成長誘因(有望な市場機会の認識)は、企業が新規事業へ進出する原因となりうる。
(イ) 事業拡大への誘引と障害は、通常、企業の多角化形態や将来の収益性の基礎にまでは影響しない。
→×:事業拡大への誘引と障害は、企業の多角化形態のあり方に永久を与える。
(ウ) 新規事業への進出は、通常、当該企業の中核事業から始まり、マーケットシェアを維持するために行われる。
→×:新規事業への進出は、通常、当該企業の中核事業の経営資源の利用可能性が考慮される。その目的は新規事業分野におけるマーケットシェアの拡大である。
(工) 内的な成長誘引は、通常、企業を多角化へと向かわせる企業内部の条件のことであり、多くの場合、防御的な性格を持ち、自社の内部資源を最大限に活用したいという企業の欲求から生じる。
→×:内的な成長誘引とは、その企業が有する強み,コアコンピタンス等でいまだに発揮されていないものをいう。これは自社の内部資源を最大限に活用したいという企業の欲求から生じるので、攻撃的な生活を持つ。
(オ) 防御的な多角化は、通常、当初の市場において変化するニーズに当該企業の技術が適応していると判断した場合に行われる。
→×:防御的な多角化は、通常、当初の市場において変化するニーズに当該企業の技術が適応できていなくて、他の事業分野に進出しないと企業規模を維持できないと判断した場合に行われる。

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設問3

解答:ウ

(ウ) 企業にとって模倣困難性の低い情報的資源が競争にとって重要ならば、特許や商標のような手段で法的に模倣のコストを高める必要はない。
→×:企業にとって模倣困難性の低い情報的資源は他社に真似されることにより競争優位を維持できなくなる恐れがある。そのため、特許や商標のような手段で法的に模倣のコストを高めて、模倣のコストを高める必要がある。

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設問4

解答:ウ

(ア) 商品購入時にユーザー登録をしてもらって利用特典を与える販売方式は、バージョンアップした自社商品への乗り換えを難しくするので、その企業の商品の普及スピードを鈍化させることになる。
→×:商品購入時にユーザー登録をしてもらって利用特典を与えることで、他社への乗り換えを現象させる効果がある。
(イ) 生産リードタイムの短縮によって、原材料の在庫の回転率があがるが、生産コストに変化はなく、収益も変わらない。
→×:生産リードタイムの短縮によって、原材料の在庫の回転率があがる。その結果、項数の削減にもつながり、生産コストに変化が生じ、収益は上がる。
(ウ) 先発して市場に参入すれば、有利な立地や優秀な人材を先取りできるばかりではなく、市場動向に素早く対応して、売り上げが増大する可能性が高くなる。
→○: 先発優位性に関する説明である。先発優位性とは、 ある特定市場へ最初に参入したブランドの方が、後発のブランドよりも大きな利益や市場シェアを獲得できることである。
(工) 他社に先駆けて特許等で参入障壁を築いて防衛的地位を固めると、ニッチ市場に入り込んでしまい、市場の変化に取り残されてしまうことになる。
→×:他社に先駆けて特許等で参入障壁を築いて防衛的地位を固めると他社に対して優位に立つことができる。参入障壁は他社の事業進出を阻むものであるが、自社が他の事業分野に進出することを妨げるものではない。したがって、ニッチ市場に入り込むわけではない。
(オ) 他社の競合品よりも多くの量の自社製品をすばやく生産することを続けると、単位あたりコストが増大し、市場競争で劣位に立たされることになる。
→×:他社の競合品よりも多くの量の自社製品をすばやく生産することを続けると、単位あたりコストが減少し、市場競争で優位に立たされることになる。

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設問5

解答:ウ

(ウ) 実際の消費経験から判断できるような経験的な属性については、物理的な差異による製品差別化よりも広告や宣伝活動による製品差別化が有効である。
→×:実際の消費経験から判断できるような経験的な属性については、実際の使用場面や使用後の便益のイメージを具体的に示すなど、物理的な差異による製品差別化(製品機能の差別化)をアピールすることが非常に有益である。

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