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平成20年度1次試験解答:経営法務

設問16

解答:設問1:ア 設問2:ウ 設問3:イ

(設問1)

(ア)  公告方法は定款の絶対的記載事項ではなくなった。ただし、定款に記載する場合は、官報に掲載する方法か日刊新聞紙に掲載する方法のいずれかを定めなければならない。
→×:会社法施行によって、株式会社の広告方法は絶対的記載事項から任意的記載事項となった。しかし、広告方法は、(1)官報、(2)日刊新聞等、(3)電子広告の中から、いずれかを選択することとなる。
(イ)  従来定められていた最低資本金制度が廃止された。ただし、設立に際して出資される財産の価額または最低額を定款に記載しなければならないため、その金額を下回ることはできない。
→○:会社法施行によって、最低資本金制度が撤廃され、資本金1円でも会社を設立することができる。しかし、設立に際して出資される財産の価額または最低額は定款の絶対的記載事項であり、その金額を下回ることはできない。
(ウ)  同一市町村内に同一の営業のために同一又は類似の商号を登記することができないという類似商号規制が廃止された。ただし、同一の商号を同一の住所に登記することはできない。
→○:会社法施行によって、類似商号規制は廃止される。類似商号規制とは、同じ市町村において他人が登記した商号を同種の営業について登記することを禁止するものである。紛らわしい商号を排斥して企業の同一性を 担保する目的だが、規制の効力が同市町村内に限定され、企業活動が広範囲化するにつれ、規制の合理性が薄れているとの指摘が多いことや、登記手続の簡素化の要請も踏まえ、廃止される。しかし、同一商号を同一住所に登記することができないという規制は現在でも存在する。
(エ)  発起設立において、払込みの取扱いをした銀行等の払込金保管証明制度が廃止された。ただし、募集設立においては、この制度は規定されている。
→○:会社法では、発起設立の場合には、払込金保管証明は不要となる。ただし、募集設立の場合は、株式申込人の保護のため、これまでどおり「払込金保管証明」が必要とされる。

(設問2)
(ア)  会社法では、最終事業年度に係る貸借対照表に計上した資本金が5億円以上の会社は大会社となり、会計監査人を置かなければならない。
→○:会社法では、資本金が5億円以上または負債額が200億円以上の条件を満たす会社は大会社となる。また、大会社は会計監査人を必ず設置しなければならない。
(イ)  株式会社の設立登記時に納める登録免許税は、資本金の額こ1,000分の7を乗じた金額となる。ただし、その金額が15万円に満たないときは、15万円となる。
→○:登録免許税は、会社や不動産、船舶などの登記や、特許、認可などについて課税される国の税金である。 株式会社設立の際に必要となる登録免許税は、資本金の額に1,000分の7を掛けた金額で、その金額が15万円未満であれば15万円になります。
(ウ)  消費税法上、資本金1千万円以下の会社については設立年度と翌事業年度の消費税の納税義務が免除される。
→×:消費税法上、資本金1千万円未満の会社については設立年度と翌事業年度の消費税の納税義務が免除される。
(エ)  法人事業税では、各事業年度終了の日において資本金の額が1億円を超える法人は外形標準課税が適用され、所得のほか、付加価値額と資本金等の額に応じて裸税される。
→○:法人事業税では、各事業年度終了の日において資本金の額が1億円を超える法人は外形標準課税が適用される。課税の基準(課税標準)は、所得割、付加価値割、資本割の3つである。

(設問2)
事業開始に必要な諸機関への届出に関する問題である。

(ア)  給与等を支払う法人を設立した日から1か月以内に、給与支払事務所等の開設届出書を税務署に提出しなければならない。
→○:給与の支払事務を取り扱う事務所等を開設、移転又は廃止した日から1か月以内に税務署に提出しなければならない。
(イ)  従業員を使用する法人を設立した日から5日以内に労働保険閑係成立届、雇用保険適用事業所設置届を労働基準監督署に提出しなければならない。
→×: 従業員を使用する法人を設立した日から10日以内に労働保険閑係成立届、雇用保険適用事業所設置届を労働基準監督署に提出しなければならない。
(ウ)  常時従業員を使用する法人を設立した日から5日以内に健康保険・厚生年金保険新規適用属を社会保険事務所に提出しなければならない。 →○:正しい。常時従業員を使用する法人を設立した日から5日以内に健康保険・厚生年金保険新規適用属を社会保険事務所に提出しなければならない。
(エ)  法人を設立した場合には、設立の日から2か月以内に法人設立届出書を税務署に提出しなければならない。
→○:正しい。法人を設立した場合には、設立の日から2か月以内に法人設立届出書を税務署に提出しなければならない。

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設問17

解答:設問1:ア 設問2:ウ

(設問1)
 平成20年4月1日以後開始する事業年度より、内部統制報告書および【A:確認】書制度が導入された。

 内部統制報告書とは、会社の属する企業集団及び会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制について評価した報告書である。
 また、【A:確認】書とは、有価証券報告書や半期報告書、四半期報告書の記載内容が、金融商品取引法令に基づき適正であることを【A:確認】した旨を記した書面であり、当該有価証券報告書等と併せて提出することを義務づけることによって、その記載内容の適正性をより高めることを目的として導入された。

(設問2)

(ア)  内部統制報告書で評価結果を表明する場合には、内部統制が有効であるか、または重要な欠陥があり有効でないかを記載しなければならない。
→○:内部統制報告書では、内部統制が有効な場合はもちろんのこと、内部統制が有効に運用できていなくても、その旨を記述した「内部統制報告書」を提出しなければならない。
(イ)  内部統制報告書には、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならない。
→○:内部統制報告書は、公認会計士または監査法人による監査証明を受けなければならない
(ウ)  内部統制報告書は、有価証券報告書、半期報告書、四半期報告書を提出するごとに併せて提出しなければならない。
→×:内部統制報告書の提出のタイミングは、有価証券報告書を提出する際に、併せて内閣総理大臣に提出することとされている。
(エ)  有価証券報告書を提出する会社であっても,有価証券を上場または店頭登録していない会社は内部統制報告書の提出は義務付けられていない。
→○:内部統制報告書の提出が義務付けられているのは上場企業である。

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設問18

解答:ウ

(ア)   会社は、公益又は投資者保護のため開示が必要な事象が発生した場合には、その内容を記載した臨時報告書を、遅滞なく提出しなければならない。
→○:証券取引所に株式を上場した会社や有価証券届出書を提出した会社は、証券取引法に基づき、下記の場合に遅滞なく内閣総理大臣に提出することが義務づけられています。
(1)その発行する有価証券の募集又は売出しが外国において行われるとき
(2)その他公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める場合に該当することになったとき
(イ)  会社は、事業年度ごとに有価証券報告書を当該事業年度経過後3か月以内に提出しなければならない。
→○:有価証券報告書の提出は、当該事業年度経過後3か月以内に内閣総理大臣に提出しなければならない。
(ウ)  会社は、事業年度の期間を3か月ごとに区分した期間ごとに四半期報告書をその各期間経過後2か月以内に提出しなければならない。
→×:金融商品取引法によって四半期報告書の提出期限は45日以内と定められている。
(エ)   有価証券報告書、四半期報告書、臨時報告書の開示手続きは,金融商品取引法第27条の30の2に定義されているEDINET(開示用電子情報処理組織)を使用することが義務付けられている。
→○: EDINETは、「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことで、有価証券報告書、有価証券届出書、大量保有報告書等の開示書類について、その提出から公衆縦覧等に至るまでの一連の手続を電子化することにより、提出者の事務負担の軽減、投資家等による企業情報等へのアクセスの公平・迅速化を図り、証券市場の効率性を高めることを目的として開発されたシステムである。2008年4月1日以後に開始する事業年度に係る開示書類については、EDINETによる提出が義務化された。

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