平成29年度度1次試験解答:経営情報システム
設問11
解答:ウ
事業所においてインターネット接続を行い、グローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換して運用する場合は、IPアドレスと【A:ポート番号】 を用いて変換する【B:NAPT】 機能を持つルータを設置すればよい。
PC
設置場所の変更への対応やタブレットなどの利用を考慮する場合、それらの機器が自社のLANに接続された時のみ、空いているプライベートIPアドレスを使用する【C:DHCP】
機能を利用するようにルータを設定することで、IPアドレスの使用数の節約が図れる。
事業所内の有線LANに接続する端末や周辺機器を増やしたい場合、【D:MAC アドレス】
を使用して通信相手を識別するスイッチングハブをカスケード接続すれば通信トラフィックを軽減できる。
- 【A:ポート番号】
- ポート番号とは、TCP/IP通信において、 コンピュータが通信に使用するプログラムを識別するための番号である。
TCP/IP通信においては、 IPアドレスがあればネットワーク上のコンピュータを一意に識別することができるが、 該当コンピュータのどのプログラムに通信パケットを届けるかは、 IPアドレスだけでは決定できない。 どのプログラムに通信パケットを渡すのかを決定するために、 ポート番号を使用する。 - 【B:NAPT】
- NAPTとは、1つのグローバルIPアドレスを複数の端末で共有するためのネットワークアドレス変換技術の1つ。TCP/UDPのポート番号も含めて変換することで、複数の端末を同時接続させることができる。
- 【C:DHCP】
- DHCPとは、インターネットに接続しようとするコンピュータに対して、インターネットの住所ともいえるIPアドレスなどの情報を自動的に割り当てる仕組みのこと。
- 【D:MAC アドレス】
- ネットワーク機器のハードウェアに一意に割り当てられる物理アドレスである。
設問12
解答:ウ
(ア) | LTEとは、プラチナバンドを周波数帯域として使うモバイル通信規格を指す。 →×:LTEとは、携帯電話通信規格のひとつで、現在主流となっている第3世代携帯の通信規格(3G)をさらに高速化させたものである。使用する周波数帯域にプラチナバンドは使用していない。 |
(イ) | SIMフリー端末とは、SIMカードがなくても多様な通信ができる端末を指す。 →×:SIMフリー端末とは、SIMロックがかかっておらず、通信事業者を選ぶことなくSIMカードを利用できる携帯端末やスマートフォン端末のことである。SIMカードが必要である。 |
(ウ) |
データローミングとは、端末利用者が、契約している移動体通信事業者と提携している他の移動体通信事業者の提供するサービスを利用できる機能を指す。 →〇:データローミングとは、日本国内の携帯電話会社の電波が届かない場所で、各社が提携する現地の携帯電話会社のネットワークを使って通信を行う機能のことである。 |
(エ) | モバイルネットワークオペレータとは、ネットワーク接続に不慣れな利用者に対してサポートを行う事業者を指す。 →×:携帯電話やPHSなどの無線通信ネットワークを独自に保有する通信事業者のことである。 |
設問13
解答:ア
コンピュータシステムの信頼性は、稼働時間に基づいた【A:MTBF】で評価することができ、この値が大きいほど信頼性は高い。
コンピュータシステムの保守性は、修理時間に基づいた【B:MTTR】で評価することができ、この値が小さいほど保守が良好に行われている。
障害が発生しないようにコンピュータシステムの点検や予防措置を講ずることは【C:信頼性】 と【D:可用性】
を高める。また、システムを二重化することは、個々の機器の【C:信頼性】を変えることはできないがシステムの【D:可用性】を高めることはできる。
RASISはコンピュータシステムに関する以下の代表的な指標の頭文字を並べたものである。
RASISは、それぞれのアルファベットから始まる5つの単語から成っている。
- 「R」Reliability(信頼性)。故障しにくいこと。MTBF(平均故障間隔)が、信頼性をあらわす指標となる数値である。
- 「A」Availability(可用性)。高い稼働率を維持できること。稼働率が可用性をあらわす指標となる数値である。
- 「S」Serviceability(保守性)。障害が発生した場合に迅速に復旧できること。MTTR(平均修理時間)が保守性をあらわす指標となる数値である。
- 「I」Integrity(保全性)。データが矛盾を起こさずに一貫性を保っていること。
- 「S」Security(安全性)。機密性が高く、不正アクセスがなされにくいこと。
設問14
解答:エ
(ア) | センサーの小型化と低価格化がIoT
の普及を促進している。センサーには、地磁気を測定するジャイロセンサー、加速度を測定する電子コンパスなどさまざまなものがあり、それらを組み合わせた新しいサービスが実現化されている。 →センサーの小型化と低価格化がIoT の普及を促進している。センサーには、地磁気を測定する電子コンパス、加速度を測定するジャイロセンサーなどさまざまなものがあり、それらを組み合わせた新しいサービスが実現化されている。 |
(イ) |
大容量のデータ処理を高速化するため、ハードディスクの読み書きを避けてメモリ上で処理を完結する技術がある。これをストリームデータ処理という。 →大容量のデータ処理を高速化するため、ハードディスクの読み書きを避けてメモリ上で処理を完結する技術がある。これをインメモリ処理という。ストリームデータ処理とは、大量発生する実世界データを逐次に時系列処理*する技術です。 |
(ウ) |
データベースに保管された大容量のデータを処理するために、サーバを増設して負荷を分散化させる方法を複合イベント処理という。 →×:データベースに保管された大容量のデータを処理するために、サーバを増設して負荷を分散化させる方法をスケールアウトという。 複合イベント処理(CEP)は、複数のソースからのデータを組み合わせ、より複雑な状況を示唆するイベントやパターンを推論するイベント処理である。 |
(エ) |
日本語テキストの分析では、意味を持つ最小の言語単位にテキストを分け、品詞を判別することが必要になる。テキストのデータ分析に先立つこのような事前処理を形態素解析という。 →〇:正しい。形態素解析とは、文法的な情報の注記の無い自然言語のテキストデータ(文)から、対象言語の文法や、辞書と呼ばれる単語の品詞等の情報にもとづき、形態素(Morpheme, おおまかにいえば、言語で意味を持つ最小単位)の列に分割し、それぞれの形態素の品詞等を判別する作業である。 |
設問15
解答:エ
(ア) |
M2Mとは、人同士がよりスムースにインターネットを介してつながることを意味する言葉であり、SNSの基本とされている。 →×:M2M(Machine to Machine)とは、機器同士が人間の介在無しにコミュニケーションをして動作するシステム |
(イ) |
インダストリー4.0 とは、米国政府が2012年に発表した、情報技術を活用し生産性の向上やコストの削減を支援する取り組みを指す。 →×:インダストリー4.0は、ドイツ政府が主導し、産官学共同で進めている国家プロジェクトである。 |
(ウ) |
オープンソースとは、インターネットの双方向性を活用するデータ利用のことで、行政への市民参加を促進するための情報公開・意見収集の手段である。 →×:オープンソースとは、ソースコードが利用可能で、著作権保持者がどんな目的のためでもソフトウェアを、学習、変更、そして配布するための権利を提供するというライセンスに基づいたソフトウェアである。 |
(エ) |
行政データのオープンデータ化とは、行政組織で収集されてきたデータを広く社会に公開し民間で利活用できるようにすることを指す。 →〇:正しい。オープンデータとは、「機械判読に適したデータ形式で、二次利用が可能な利用ルールで公開されたデータ」であり「人手を多くかけずにデータの二次利用を可能とするもの」のことをいう。 |