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平成23年度1次試験解答:経営情報システム

設問16

解答:ウ

クラウドコンピューティングとは、従来は手元のコンピュータで管理・利用していたようなソフトウェアやデータなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式である。

(ア) 会計システムや人事システムは機密性が要求されるため、クラウドコンピューティングの対象から除外されている。
⇒×:会計や人事などのクラウドサービスを提供している会社は存在する。
(イ) 企業などの組織が利用するのではなく、私的個人を対象にソフトウェアを利用できるようにするサービスは、プライベートクラウドである。
⇒×:プライベートクラウドとは、企業が自社内でクラウドコンピューティングのシステムを構築し、企業内の部門やグループ会社などに対してクラウドサービスを提供する形態のことである。
(ウ) ソフトウェア開発環境、OS、ハードウェアなどをネットワークを通じて利用できるようにしたサービスは、PaaS型クラウドコンピューティングである。
⇒○:PaaS(Platform as a Service)とは、インターネットを利用したコンピュータの新しい利用形態の1つである。PaaSでは、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供する。開発者は、プラットフォーム上で構築したサービスを自分の顧客に提供することができる。 具体的には、インフラ、DBMS、ユーザーインターフェースなどのシステム開発手段となるツールや、開発したシステムを運用するための環境をインターネットを通じて「サービス」として提供し、月額使用料などの形で収入を得る事業モデルである。
(エ) パソコンやプリンタなどのハードウェア本体を貸し出すサービスは、IaaS型のクラウドコンピューティングである。
⇒×:IaaS(Infrastructure as a Service)とは、インターネットを利用したコンピュータの新しい利用形態をさすバズワードである。IaaSでは、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤(仮想マシンやネットワークなどのインフラ)そのものを、インターネット経由のサービスとして提供する。

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設問17

解答:イ

 共通フレーム2007とは、コンピュータ・システムの開発において、システム発注側(ユーザー)と受注側(ベンダ)の間で相互の役割や業務の範囲・内容、契約上の責任などに対する誤解がないように、双方に共通して利用できるよう用語や作業内容の標準化するために作られたガイドライン。

(ア) ITガバナンスについてまでは踏み込んでいない。
⇒×:ITガバナンスについてまで踏み込んでいる。
(イ) 経営層、業務部門、情報システム部門ごとに、担当すべき要件定義の内容を定めている。
⇒○:事業要件、業務要件、システム要件を定義できるのは、それぞれ経営層、業務部門、情報システム部門である。それぞれが責任をもって自らの役割を果たすことで、要件を適切に定義できる。
(ウ) システム開発のプロセスで要件定義が正しくなかった場合、運用テストで対処するように推奨している。
⇒×:運用テストは供給者側の立場からはシステムが完成しており、この段階では推奨されない。
(エ) システム化計画などの上流段階で詳細な見積もりを行い、その見積もりを目標値として開発プロセスを進行させることを推奨している。
⇒×:共通フレーム2007では、「多段階の見積り方式」を提唱している。

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設問18

解答:イ

 政策・業務参照モデル(BRM:Business Reference Model)は、政策・業務体系(BA)策定に際して活用される参照モデルである。業務・システム最適化計画(EA:EnterprisEArchitecture)の雛形として提供される参照モデルの中で、最も業務よりの階層であり、業務分類による業務分析や雛形業務モデルを提供する。
 政策・業務参照モデル(BRM)では、行政機関内で行われている業務を体系的に整理する仕組みを提供するとともに、雛形となる業務モデルを提供する。政策・業務参照モデル(BRM)の中核を担うものが業務分類(LOB:Line Of Business)であり、業務分類に従った現行業務の分析やモデルの提供を行っている。また、政策・業務参照モデル(BRM)で策定したLOBが他の参照モデルを活用するための索引となる。
  政策・業務参照モデル(BRM)では、各府省でどのような業務やシステムが行われているかを示す業務・システム体系一覧が作成されるとともに、各種の業務モデルが整備される。業務・システム体系一覧の作成は、各府省の業務内容および業務処理にかかわるシステムの活用状況を把握することを目的に行うものであり、業務・システム最適化計画策定の出発点となる作業である。この作業を通じて作成される「業務・システム体系一覧」の活用により、各府省および政府全体で、業務とシステムの共通化・合理化の対象領域の洗い出しとその方向性の明確化を行うことが可能となる。

政策・業務参照モデル(BRM)活用ガイド・サマリーより

1 LOB(Line Of Business)により業務分類を明らかにする。
2 LOB(Line Of Business)により情報収集対象を限定する。
5 類似システムを探索してベストプラクティスを収集する。
4 参照を希望する類似システムに対する調査を行う。
3 機能構成図により業務・システムの対象範囲を確認する。

となる。したがって、イが正解である。

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設問19

解答:ウ

(ア) 外注先の開発プロジェクトの進捗管理。
⇒○:外注先の開発プロジェクトの進捗を管理することは、納期を確保する為にも必要である。
(イ) 外注先の受託体制や能力の評価。
⇒○:外注先の選定には受託体制や能力を評価して選定するべきである。
(ウ) 外注先の人事管理。
⇒×:外注先の人事管理は外注先が行なうもんであり発注元は関与するものではない。
(エ) 要件定義の明確化。
⇒○:要件定義を明確化しないままプロジェクトを開始すると後戻りが発生する恐れがある。

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設問20

解答:ア

インスペクションとは、ソフトウェア開発の各作業工程で、設計仕様書やコーディングしたプログラムのロジックを第三者が検証し、誤りや問題点を検出することである。

開発者本人が気づきづらい問題点を洗い出すことができるため、ソフトウェアの品質向上につながる。

(ア) プログラム作成者、進行まとめ役、記録係、説明役、レビュー役を明確に決めて、厳格なレビューを公式に行う。
⇒○:正しい。
(イ) プログラム作成者が他のメンバに問題点を説明して、コメントをもらう。
⇒×:インスペクションは第三者が行なう。プログラム作成者自身が行なうものではない。
(ウ) プログラム作成者とレビュー担当者の2名だけで、作成したプログラムを調べる。
⇒×:インスペクションは複数の関係者が集まって実施される。
(エ) プログラムを検査担当者に回覧して、個別にプログラムを調べてレビュー結果を戻してもらう。
⇒×:インスペクションは集団で検証を行なう。

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