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平成16年度1次試験問題:経営情報システム

設問1

 事業所等でのコンピュータ利用にあたっては適切な性能のコンピュータハードウェアを準備する必要がある。そのためにはコンピュータハードウェアの特性について注意を払う必要がある。以下の設問に答えよ。

(設問1)
 コンピュータに外部記憶装置を複数増設することが可能な規格名称として、最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア) AGP
(イ) IEEE 802.11b
(ウ) MIDI
(エ) SCSI
(オ) セントロニクス

(設問2)
 コンピュータを構成する装置の中で、内部記憶装置に関しては用途別に複数種類のものが利用されているが、それぞれの記憶装置の特性を理解して適切な配備がなされたコンピュータハードウェアを利用する必要がある。
 以下に示す記憶装置に関する説明と記憶装置名称の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〈記憶装置に関する説明〉
(a)半導体を利用した記憶装置で、命令やデータの高速な書き込みと読み出しが可能なことから、主に主記憶装置に利用される。
(b)半導体を利用した記憶装置で、電源投入直後にコンピュータの動作準備をするための入出力制御に関わるプログラムを蓄えておくために利用するもの。
(c)ディスプレイに表示する画像データを蓄えるための記憶装置で、画面に表示できる解像度と色数の上限がその容量によって左右されるもの。
(d)CPU 内部に取り込んだ命令やデータを一時的に格納しておくための記憶装置で、コンピュータの記憶装置の中で最も高速なもの。

〈記憶装置名称〉
(1)VRAM
(2)レジスタ
(3)ROM
(4)RAM

【解答郡】
(ア) a―1 b―2 c―3 d―4
(イ) a―2 b―1 c―4 d―3
(ウ) a―3 b―1 c―2 d―4
(エ) a―3 b―4 c―1 d―2
(オ) a―4 b―3 c―1 d―2

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設問2

 コンピュータの利便性向上のためにさまざまな工夫が行われており、それらの装備状況を適切に判断して、業務利用のためのコンピュータハードウェアの選定を行う必要がある。
 そのような工夫のひとつとして、キャッシュと呼ばれる仕組みがコンピュータ内部で利用されている。このキャッシュに関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア) LAN で用いられるパケット通信において、一斉同報(ブロードキャスト)されたパケットの中から自分のコンピュータあてのパケットを選別する仕組み。
(イ) 画像や動画などをデジタル化してコンピュータに取り込むこと。
(ウ) 記憶装置の読み出し速度を向上させるために、データをより高速な記憶域に一時的に保存して利用する手法またはその領域。
(エ) コンピュータの動作基準となる信号のことで、コンピュータ内部の各装置はこのタイミングに合わせて処理を行い処理速度の向上が図られている。
(オ) データの暗号化を利用する場合、コンピュータ内部でデータの暗号化と復号化に使用される方式。

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設問3

 マルチメディアデータを利用してインターネット上で広告を流そうと考えた。そこで、15Mbyte の動画による広告を作り、自社のWeb サーバ上に格納して配信を開始
した。Web サーバはインターネットへは2Mbps の回線で接続してある。この動画ファイルは、利用者がそのファイルのすべてをダウンロードした後でないと、画面表示
を開始することができないものである。
  8Mbps のインターネット回線利用者は、この広告をWeb ブラウザ上でダウンロード指示してから、どのぐらい後に内容を表示開始することができるか。最も近い所要
時間を選べ。
 ただし、ネットワークの実効転送率は100%、上り下り回線とも同一の回線速度で、Web サーバへの処理要求の集中はないものとする。

【回答郡】
(ア)2秒
(イ)7.5秒
(ウ)15秒
(エ)1分
(オ)10分

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設問4

 インターネットで利用されるサーバの仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)Web サーバは、テキスト、画像、音楽、動画等の情報発信やメールの受発信、ファイルサーバ等の機能を総合的に具備したものである。
(イ)データベースサーバは、Web ブラウザに対して直接情報発信できる機能を有していないので、情報発信用のサーバと連携して機能している。
(ウ)ドメインネームサーバ(DNS)は、名前管理機構とも呼ばれ、IP アドレスとホスト名の対応管理およびこの対応関係をもとにメールデータの送信を行う。
(エ)プロキシサーバは、クライアント端末に代わって目的の情報発信サーバにアクセスする代理のサーバで、テキスト、画像、音楽、動画等やすべてのメールデータをやり取りできる。

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設問5

 クライアントサーバシステムには2層システムの他に3層システムがある。
 2層システムは、処理を要求するためのクライアントコンピュータと、要求に応じて処理を実行するサーバコンピュータによって構成される。
 これに対して3層システムは、処理結果を表示させる目的のクライアント層、クライアントからの要求を処理するアプリケーション層、アプリケーション層と連携するデータベース層に分離され、各々の層で異なったコンピュータハードウェアを利用し、クライアントサーバシステムを構築・運用する仕組みである。
 2層システムと3層システムに関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア) 3層システムでは2層システムに比較して、ウィルスの感染を受けにくい。
(イ) 3層システムでは2層システムに比較して、外部からの侵入に対する抵抗性を高くしやすく、データの保護には有利である。
(ウ) 3層システムでは2層システムに比較して、電子メールがより多くのサーバを経由することとなり到着に遅延が起こる。
(エ) 3層システムでは3層のそれぞれのコンピュータに処理要求が均等に分散されるので、処理の集中による負荷がかかりにくい。
(オ) 3層システムで利用するデータベースシステムでは排他制御を行う必要はない。

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設問6

 次の文中の空欄A〜D に最も適切なものの組み合わせを、下記の解答群から選べ。
 パーソナルコンピュータによるプログラム開発の場合、プログラム言語の記述は【 A 】と呼ばれるソフトウェア機能を利用して行い、【 B 】として保存される。
その後、【 B 】は【 C 】を用いて実行可能な実行形式(機械語)に変換される。
 しかし、近年は統合環境と呼ばれる開発環境が主流で、【 A 】や【 C  】の機能が統合された状態で開発が可能である。プログラム作成の教育目的で利用されるBASIC等のプログラム言語の場合は、プログラムの命令を入力・修正している途中でも、命令を解釈、実行して結果が確かめられる【 D 】方式が用いられている。

【解答郡】

(ア) 【 A 】:コードジェネレータ 【 B 】:プログラムファイル 【 C 】:パーサ 【 D 】:インタプリタ
(イ) 【 A 】:シェル 【 B 】:バイナリコード 【 C 】:コンパイラ 【 D 】:言語プロセッサ
(ウ) 【 A 】:シェル 【 B 】:バックアップファイル 【 C 】:リンカ 【 D 】:オーサリング
(エ) 【 A 】:テキストエディタ 【 B 】:バイナリコード 【 C 】:パーサ 【 D 】:言語プロセッサ
(オ) 【 A 】:テキストエディタ 【 B 】:プログラムファイル 【 C 】:コンパイラ 【 D 】:インタプリタ

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設問7

 これから業務処理のためにリレーショナルデータベースの導入を行いたいと考えている。このための準備作業として、最も不適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)今まで使用していた売上伝票や請求書をもとにして最初にレコード設計を行った。
(イ)表計算ソフトウェアを利用してデータ入力を開始した。
(ウ)マスタファイルに登録すべき項目の洗い出しを開始した。
(エ)リレーショナルデータベースで使用するテーブル作成のためのフィールド設計を行った。
(オ)ワードプロセッサソフトによって作成してあった住所一覧表から罫線等を取り去り、データ区切りを明確にしたのちテキストファイルとして保存し直した。

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設問8

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 S 氏はビデオのレンタル業を営んでいる。日々の業務は、次のような内容である。 来店した顧客が店頭棚に配架されたビデオの空箱を見て好きなビデオを選ぶと、そ
の空箱または番号札をカウンターに持ってくる。店員は、該当するビデオを在庫棚から探してカウンターに持ってきて、顧客が提示する会員カードをもとに、貸出台帳に、
顧客名、会員番号、ビデオタイトル、貸出期間、貸出料金を記入して、貸出料金と引き替えに顧客にビデオを手渡す。顧客からビデオが返却されると、貸出期間の超過日
数、ビデオの損傷などをチェックしてビデオを受け取り、貸出台帳に返却済の記帳をするとともにビデオを元の在庫棚に戻している。
 その他、新規の顧客の登録や退会処理などの顧客原簿の更新管理、仕入れ業者から新規に購入したビデオの登録や損傷したビデオの除却などのビデオ原簿の更新管理、 そして月別の各ビデオの回転率などの集計・分析を行っている。
 S 氏は、中小企業診断士とともに、現行業務のコンピュータによる合理化、効率化を考えている。

(設問1)
システム開発アプローチとして、データ中心アプローチを採用し、まずER モデルを作成することとした。ER モデルの説明として最も不適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)ER モデルとは、現実世界を「実体」と実体間の「関連」という視点でとらえるもので、実体関連モデルとも呼ばれる。
(イ)ER モデルは、現実世界を概念モデルへと写し取る際に用いられる。
(ウ)業務内容を書き出し、名詞の中から「実体」を、動詞の中から「関連」を識別するというのは有効な方法の一つである。
(エ)「実体」は有形の実体のあるものでなければならず、無形の概念はすべて「関連」として表現されることになる。

(設問2)
現行業務のER モデルを作成した結果の一部が下記である。A、B、C、D、E に入るものの組み合わせとして最も適切なものはどれか。なお、□は実体を表し、◇は関連を示す。

問題

【解答郡】
(ア)A:顧客    B:貸出 C:ビデオ D:購入 E:仕入れ業者
(イ)A:貸出料金 B:日数 C:ビデオ D:除却 E:仕入れ業者
(ウ)A:会員番号 B:貸出 C:顧客  D:注文 E:新ビデオ
(エ)A:ビデオ   B:貸出 C:顧客  D:購入 E:仕入れ業者
(オ)A:ビデオ   B:日数 C:顧客  D:購入 E:新ビデオ

(設問3)
現行の業務で発生する下記のようなデータについて、その正規化の説明として、最も適切なものはどれか。

顧客名 顧客コード 貸出日 ビデオ名(タイトル名)
鈴木太郎 001 4月1日 ○○○○
田中真一 002 5月2日 △△△△△、□□□□
鈴木太郎 001 6月3日 □□□□、×××

【解答郡】
(ア)顧客名の欄に鈴木太郎が2回出てくるのは繰り返し部分であり、非正規形である。
(イ)すでに第三正規形を満たしており、とりあえずこれ以上正規化する必要はない。
(ウ)第二正規形であり、顧客名と顧客コードの依存関係を解消すれば第三正規形となる。
(エ)ビデオ名の欄に複数のビデオ名が記録されているのは繰り返し部分であり、非正規形である。

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設問9

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
X 社は、これまでメインフレームの更新・保守を行いつつ、ストーブパイプ型開発により、かなりのシステム資産を蓄積している。また、最近ではEUC 的発想と経済性の点からUNIX/PC サーバによるオープン系のシステム開発も進めている。そのために、ますます同一データ項目が複数システムに散在してデータ項目・内容の不整合や精度の不一致などを生むだけでなく、システムの拡張性や保守性を低下させている。 X 社では、いかにメインフレームとオープン系システムの連携を図るか、新システムへの移行をどのように行うべきかが重要課題になりつつある。
 そこでX 社は、既存システム間の連携を図るために、次のことを検討している。
  第1に、データコード、フォーマット、通信プロトコル等を、各システム上で稼動する複数のアプリケーションの必要性に応じて変換する【 A 】 を開発して、各々のシステムに搭載する。
 第2に、関連するシステム間に、変換機能を遂行するソフトウェアやテーブルを組み込んだ専用の【 B 】を構築して、各システムでの開発容易性を確保する。
 第3に、既存の各システムのアプリケーションあるいはデータ構造に大きな変更を加えずに、アプリケーション間でデータとプロセスの共有や統合を支援する【 C 】を導入する。

(設問1)
 文中の空欄A〜C に入る最も適切な用語の組み合わせはどれか。

【解答郡】
(ア) 【 A 】:テーブル
  【 B 】:リロケータブルプログラム
  【 C 】:ERP(Enterprise Resource Planning)ソフト
(イ) 【 A 】:ディレクトリ
  【 B 】:リンケージエディタ
  【 C 】:ロードシェアシステム
(ウ) 【 A 】:ファームウェア
  【 B 】:アプリケーションサーバ
  【 C 】:API(Application Programming Interface)
(エ) 【 A 】:ミドルウェア
  【 B 】:ゲートウェイサーバ
  【 C 】:EAI(Enterprise Application Integration)ソフト

(設問2)
 最近のメインフレームUNIX/PC サーバの単体としての特性に関する説明のうち、 最も不適切なものはどれか

【解答郡】
(ア) CPU、主記憶、入出力などの資源配分においては、メインフレームのほうがUNIX/PC サーバよりも最適に配分する。
(イ) CPU の信頼性(reliability)は、メインフレームのほうがUNIX/PC サーバよりも高い場合が多い。
(ウ) 拡張性(scalability)は、UNIX/PC サーバのほうがメインフレームよりも優れている場合が多い。
(エ) 入出力プロセッサ(インターフェース)の信頼性は、現在ではUNIX/PC サーバのほうがメインフレームよりも高い場合が多い。
(オ) メインフレームはUNIX/PC サーバと異なり、かなりの数の仮想的サーバを1台で実現できる。

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設問10

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
商品別事業部制を採用する卸売業者が、顧客企業とXML(eXtensible Markup Language)によって電子的データ交換(EDI)による情報システムを開発することになった。

(設問1)
当社はこのシステム開発を、エクストリームプログラミング(XP)により開発することにした。開発部門の業務の説明として、最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)改善点が見つかったら、いつでもプログラムコードを見直す。
(イ)コーディング完了後、要求仕様に基づいてユニットテストのデータを作成する。
(ウ)プログラムごとに開発担当者を決めて、修正範囲を限定する。
(エ)要求定義段階と検収テスト段階でユーザ部門を関与させる。

(設問2)
XML 利用に適する条件として、最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)取引先企業数が少ない。
(イ)取引先とビジネスプロセスを共通化したい。
(ウ)取引する商品が多種多様である。
(エ)取引データ交換のフォーマットが特定されている。

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