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平成20年度1次試験解答:運営管理

設問26

解答:オ

 クロスドッキングとは、物流センター業務において、複数の仕入先からの入庫貨物を在庫させる事なく、複数の配送先に交差・振り分け出荷する手法。多くの仕入先がそれぞれの出荷先に個別配送していれば、荷受けの手間やトラックの台数も多くなり、必要な時に入荷することも難しくなる。これらの課題を解決するため、複数の仕入先からの種々の貨物を物流センタにて出荷先毎に取りまとめて集約配送する手法が考え出された。これがクロスドッキングである。この方式の実現のためには、メーカーへの発注やその入庫予定、出荷先からの配送オーダーが正確に把握・マッチングできるシステムや、貨物の仕分け管理など高度な業務遂行機能が必要になる。

【解答群】
(ア) クロスドッキングは、通過型物流センターで多く導入されている。
→○:通過型物流センターとは、在庫を持たず、店別仕分けや流通加工を行うセンターのことである。クロスドッキングに適しているため、多く導入されている。
(イ) クロスドッキングは、通常、サプライチェーン全体で店舗に近い川下の物流センターで行われる。
→○:川下に行くほど多品種少量の仕分けが必要になる。また多頻度小口配送などの配送要求をされることも多くなるので、クロスドッキングによって効率化を図ることができる。
(ウ) クロスドッキングを行うためには、事前に荷受けのタイミングを調整しておくことが重要である。
→○:同じ時間帯に複数の納入業者が納品に来ることによって生産性が落ちることがあるので、事前に荷受けのタイミングを調整しておくことことは重要である。
(工) クロスドッキングを行うためには、物流センターに入荷する時点で店舗別に小分けされていることが望ましい。
→○:事前に店舗別に仕分けけが行われて集荷されることはリードタイム短縮の面からも望ましい。
(オ) チルド食品や日配品の物流では、クロスドッキング方式は適さない。
→×:温度管理の必要なチルド食品や、基本的に毎日配送する必要のある日配品は、在庫をできる限り保有しないでリードタイムを短くする必要があるので、クロスドッキング方式に適している。

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設問27

解答:ア

 

一般に、出荷量が多く高回転の商品群は、入荷即出荷ができる倉庫の出入り口の近くに置くのがよい。
→○:出荷量が多く高回転の商品群を倉庫の出入り口の近くに置くことで動線を短くすることができ、効率が良くなる。

  フリーロケーションでは、 1アイテムが複数のロケーションに登録される場合がある。
→○:フリーロケーションとは、倉庫の中で商品を保管するにあたり、商品と保管場所の関係を固定しない方法である。同じ品目が複数のロケーション(棚番)に分かる為、ピッキング(棚出し)効率が犠牲になることがある。
  出荷先が多く多品種で、 1品日当たりの出荷数量が少ない場合には、トータルピッキングが適している。
→×:トータルピッキングとは、伝票単位ではなく商品単位の合計数でピッキングする方法である。動線量を圧縮することができて効率的な作業が可能となる。少品種で、 1品日当たりの出荷数量が多い場合には、トータルピッキングが適している。
  平場による保管方法は、作業性と保管効率の両面で劣っている。
→×:平場による保管方法は、一概に、作業性が劣っているとはいえない。これは、保管量の少ない商品群などは、パッドトラックを利用したフォークリフトによる荷役よりも、中・軽量ラックで台車による荷役の方が効率的な場合があるからである。

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設問28

解答:ウ

 サプライチェーンマネジメントとは、主に製造業や流通業において、原材料や部品の調達から製造、流通、販売という、生産から最終需要(消費)にいたる商品供給の流れを「供給の鎖」(サプライチェーン)ととらえ、それに参加する部門・企業の間で情報を相互に共有・管理することで、ビジネスプロセスの全体最適を目指す戦略的な経営手法、もしくはそのための情報システムをいう。

 RFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)は、ID情報を埋め込んだタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm〜数m) の無線通信によって情報をやりとりするもの、および技術全般である。

(ア) GPSによって貨物の位置に関する情報が取得できれば、リアルタイムでのSCMが可能になる。
→×:貨物の位置に関する情報だけでは、リアルタイムでのSCMは不可能である。SCMの実現のためには製造や販売といった情報も必要になるからである。
(イ) ICタグから取得された情報を使うと、物流におけるトラブルの原因が判明する。
→×:物流におけるトラブルには、納期遅延、自動車事故、商品破損、紛失、盗難など数々のトラブルが考えられる。それらの全ての原因をICタグから取得するのは困難である。
(ウ) RFIDのSCMへの活用の観点からは、国際的な標準規格が確立されることが望ましい。
→○:RFIDのSCMへの活用の観点からは、国際的な標準規格が確立されることが望ましい。
(工) サプライチェーン全体でのトレーサビリティは、個品に対するICタグの添付で可能になる。
→×:サプライチェーン全体でのトレーサビリティは、個品に対するICタグの添付では不可能である。何らかのトラブルに対して個品での情報だけでなく、そのトラブルが発生した際の環境に関する情報がなくては、トレーサビリティは管理できない。
(オ) 物流におけるICタグのコードは,川上のメーカーが管理することが望ましい。
→×:物流におけるICタグのコードは,川上から川下までの全てのメーカーが管理することが望ましい。

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設問29

解答:エ

  移動平均法や指数平滑法は、データのノイズの除去には適さない。
→×:移動平均法や指数平滑法は、データのノイズを除去することができる。
  需要量に影響を及ぼす諸要因の構造分析には、多変量解析が用いられることがある。
→○:需要量に影響を及ぼす諸要因の構造分析には、多変量解析が用いられることがある。
  需要予測は、品目単位で詳細に行うほど当該カテゴリー全体の予測精度が向上する。
→×:需要予測においては、詳細な積み上げデータが必ずしもカテゴリー全体の精度向上に寄与するとは限らない。
  製品の普及率の推移は、ロジスティック曲線が当てはまることが多い。
→○:製品の普及率の推移は、ロジスティック曲線が当てはまることが多い。

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設問30

解答:エ

 ビジュアル・マーチャンダイジングとは、マーチャンダイジングの意図、政策、プログラムを「商品」「情報」「環境」と整合させた視覚表現の仕組みと方法である。
 具体的な活動としては、次のようなものがある。

  • 店のコンセプトに合わせた商品計画から商品構成
  • 品揃え
  • 演出
  • 陳列
  • そのMD表現をサポートしイメージ付ける什器
  • 器具
  • 売場の環境整備
  • POP
  • サイン計画
(ア) 商品価値を最大限に表現することをねらいとする。
→○:POP、照明、装飾、什器などを有効に活用することで、視覚表現を高め、商品価値を最大限に表現することができる。
(イ) 陳列商品における販売促進の有効性を高めることをねらいとする。
→○:陳列商品を魅力的にすることにより、販売促進の有効性を高めることができる。
(ウ) 店舗における重点商品を、消費者に明確に伝達することをねらいとする。
→○:陳列を工夫することによって、重点商品を、消費者に明確に伝達することができる。
(工) 販売員個々人の感性を重視した陳列にすることで、消費者からの評価を高めることをねらいとする。
→×:販売員個々人の感性を重視した陳列にすることによって、売り手本位の陳列方法になる可能性が高い。その結果、消費者には評価を高めることにはつながりにくい。
(オ) 有効なインストア・プロモーションの推進をねらいとする。
→○:インストア・プロモーションとは、店内での販売促進のことである。陳列や演出の視覚表現を高めることによって店内での販売促進につながる。

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