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平成14年度1次試験解答:企業経営理論

設問21

解答:ウ

製品の分類に関する問題である。

他の解答例

生産財(産業財)とは、業者や会社に提供される商品の総称である。また消費財とは最終消費者や家庭で使用される製品の総称である。

【解答群】
(ア) 1回の購入量が少ない。
→×:生産財は企業や会社に提供するものであるから生産財のほうが、1回の購入量は多い。
(イ) 購入者の数が多い。
→×:消費財は消費者や家庭で使用される製品であることからも、消費財の方が購入者の数が多い。
(ウ) 需要の価格弾力性が低い。
→○:正しい。生産財は組織の目的に沿ったものを購入するので、価格の他に品質や配送といった条件も必要となる。その為、価格に対する需要の変化はあまりみられない。
(工) 中間流通業者の数が多い。
→×:生産財は、会社や業者に直接配送されることが多い。その為、消費財と比べて中間流通業者の数は少ない。

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設問22

解答:設問1:ア 設問2:イ

競争地位別戦略ワン・トゥ・ワン・マーケティングに関する問題である。
(設問1)
 ニッチ(隙間)戦略とは大手企業やブランドとの競争はせず、特定分野でのシェアを追求する戦略である。

(ア) 規模拡大を狙っていくと、競争企業の参入を招きやすい。
→○:正しい。
(イ) 市場シェアが低いので、高い利益率を得ることができない。
→×:特定の製品市場において支配的な地位につけるので高い利益率を得ることができる。
(ウ) 他の企業のマーケティング戦略に追随する経営方針である。
→×:フォロワー戦略に関する説明である。
(工) 非連続的な技術革新や市場動向の激変に対して強力に対応できる。
→×:特定の市場や製品に特化しているので、非連続的な技術革新や市場動向の激変に対して対応できないことが多々ある。

(設問2)
 ワン・トゥ・ワン・マーケティングは顧客1人1人を対象としたマーケテイングのことである。顧客の好みや価値観、状況の違いを把握・認識し、それぞれのニーズに合わせて異なったアプローチを行うことで顧客との長期的な関係を構築することを目的としている。

(ア) 顧客との長期的関係よりも1回の取引が重視されている。
→×:顧客との長期的な関係を構築することを目的としている
(イ) 市場シェアよりも顧客シェアが重視されている。
→○:市場シェアは「たくさんの人に商品を売ること」を追求するのに対し、顧客シェアは「一人に何回も買ってもらうことを追求する」ものである。 ワン・トゥ・ワン・マーケティングは、顧客シェアを重視する。
(ウ) 範囲の経済よりも規模の経済性が重視されている。
→×:規模の経済とは、大量生産によりコスト低減を行う経済概念のことである。また範囲の経済とは、事業を多角化したり、商品やサービスのラインアップを拡大することによって得られるシナジー効果を通じ、製品当り・顧客当り平均コストを減少させて、利益率を高める経済概念のことである。ワン・トゥ・ワン・マーケティングでは、個々の顧客の顧客シェアを高めて範囲の経済性を追求する
(工) 一人ひとり全く異なる文面のダイレクト・メールを送ることが重視されている。
→×:一人ひとり全く異なる文面のダイレクト・メールはコストがかかりすぎるし、ワン・トゥ・ワン・マーケティングにおいて、重視されている手法ではない

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設問23

解答:イ

マーケティング調査に関する問題である。

(a)いくつかの設問で「その他」の回答が20%を超えていた。
→選択肢がないので「その他」の回答になる。設問の項目が不適切であったと考えられる。
(b)クロス集計を行おうとしたら、表側に利用したい項目が調査されていなかった。
→質問項目が不足している
(c)自由に意見を書いてもらう欄を作ったが、ほとんどが空白であった。
→不要な項目があった
(d)すでに書籍に書かれているのと同じような結果しか得られなかった。
→質問項目の考慮がたりない。また事前調査がなされていない。

これらのことからアンケートの内容に問題があったことが分かる。アンケートの内容に問題があったということは調査設計段階で問題があったといえる。よって解答はイである。

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設問24

製品購買プロセスの情報探索に関する問題である。

(ア) 新規ブランドよりもファミリーブランドを採用する。
→○:消費者のブランド認知に要する時間を軽減できる。
(イ) ホームページにQ&A のページを設ける。
→○:ホームページで消費者は、情報を得ることができる。
(ウ) 毎日安価で販売するよりも、特売セールを実施する。
×:消費者は特売セールが「いつ」、「どの店舗で」、「どの商品に対して行なわれるか」についての情報収集が必要になってしまう。消費者の情報収集評価活動を軽減するためには毎日安価で販売するほうが情報収集に要する時間を軽減できる。
(工) 無条件返品保証制度を採用する。
→○:品質を保証するという情報提供を受けている。

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設問25

解答:設問1:ウ 設問2:エ 設問3:エ

(設問1)
 ミールソリューションとは、直訳すると「食卓づくりの悩み解決」となり「食」に関するすべてを総合的に解決することで、食品流通では単に食材を提供するだけでなく、キッチンサポーターとして「料理の提案」や「献立のアドバイス」を積極的に行う「食卓づくり」を指す。
 ホーム・ミール・リプレースメントとは、直訳すると「家庭における食事の代行」となり、スーパー店内でコックが目の前で調理した料理を家に持って帰り食することなどがそれに該当する。
 このことから、「(ウ)グルメ指向の顧客用に、他では手に入りにくい食材を陳列する。」が誤りである。

(設問2)
プライスラインに関する問題である。

(ア) 同じ価格帯の商品を並べて陳列するので、陳列を簡単に行うことができる。
→○:正しい。
(イ) 高価格帯の商品を陳列することによって、中価格帯の商品を売りやすくすることができる。
→○:高価格帯の商品と比較して遜色がない場合などの場合に、中価格帯の商品を売りやすくすることができる。
(ウ) 小売店側は、仕入をある価格帯に集中できるので、仕入活動を効率化することができる。
→○:仕入を価格帯によって絞込みすることができるので、仕入活動を効率化することができる
(工) 消費者が特定の価格帯のなかからしか、商品を選択できないので、他店に行ってしまう。
→×:各価格帯の品揃えが魅力的であるならば、他店に行ってしまうことはない。
(設問3)
(ア) 依存効果
→×:依存効果とは、消費が消費者の自律的な欲望から需要が発生するのではなく、供給サイドである企業の広告・宣伝、販売術によって他律的に需要が形成され、消費行動が生じるという理論である。
(イ) 学習理論
→×:学習理論とは消費者の 学習のプロセスに関して説明をしている理論である。
(ウ) 実勢価格
→×:実勢価格とは実際に市場で取引されている価格のことである。
(工) 心理的財布
→○:心理的財布とは、一人の消費者があたかも異なる財布を複数所有しているような行動をし、購入商品やサービスの種類、それらを買う時の状況に即して別々の財布から払うような購買方法をとることである。「年に一度のクラス会という特別の日のため」という状況に即しているため、予算を上回っても気に入ったものを買っている。

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設問26

解答:設問1:ウ 設問2:ア

サービスマーケティングに関する問題である。

(設問1)
(ア) 従業員には一つではなく、複数の職務につけるように訓練しておく。
→○:従業員が複数の職務につけるようになることで、需要の多い時間帯の職務に対応できる従業員数が多くなる。
(イ) 需要の多い事業所へ一時的に派遣するための従業員を確保しておく。
→○:一時的に派遣するための従業員を確保しておくことで、需要の多い時間帯の職務に対応できる従業員数が多くなる。
(ウ) パートタイマーをなるべく雇用しないようにする。
→×:需要の多い時間帯の職務に対応できるパートタイマーを雇用することも考えられる。
(工) 夜間の予約のために、電話受注業務を外部委託する。
→○:夜間対応をアウトトソーシングすることで需要の変動性に対応可能になる。

(設問2)
 需要の平準化とは時期による需要の変動をなくし、なるべく需要を一定にすることである。

(ア) 搭乗時に抽選を行い、当たった顧客の運賃を割り引く。
→×:搭乗時に抽選を行ったり当たった顧客の運賃を割り引いても需要を一定にすることはできない。需要を一定にしたいのなら閑散期に抽選を行なうなどの工夫が必要である。
(イ) 年末、お盆、連休などに、割引率を変える。
→○:年末、お盆、連休といった繁忙期には値引率を低くすることで、他の割引率が高い他日に変更する客が生じる。その結果、他の時期の需要とある程度一定化できる。
(ウ) 利用可能時間や曜日を限定した回数券を発行する。
→○:あまり需要のない曜日や時間のみ割引する回数券を発行することで、その時期の需要を高め、他の時期の需要と一定化できる。
(工) 割引運賃の予約変更に制約を与える。
→○:予約変更に制約を与えることで、一定の需要を確保することができる。

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設問27

解答:設問1:エ 設問2:ア

ブランドに関する問題である。

(設問1)
「ヒーコ」というブランドのコーヒーの特徴は、次の3点である。

  1. 無糖
  2. 缶入りコーヒー
  3. 近隣の駅売店で一部の顧客の熱い支持を集めている
(ア) 甘いフルーツ味のキャンディを開発する。
→×:甘いフルーツ味のキャンディは、無糖のコーヒーである「ヒーコー」のブランドイメージに合わない。
(イ) インスタント・コーヒーを開発する。
→×:インスタント・コーヒーは、近隣の駅売店というチャネルを生かせない
(ウ) 加糖のペットボトル入りコーヒー飲料を開発する。
→×:加糖のペットボトル入りコーヒー飲料は、無糖のコーヒーである「ヒーコー」のブランドイメージに合わない。
(工) コーヒー味で無糖のタブレット(粒状の菓子)を開発する。
→○:無糖のブランドイメージを生かせるし、駅売店というチャネルも生かせる。
(設問2)
(ア) カニバリゼーションを避ける目的で「ヒーコ」よりも価格を高く設定すべきだ。
→×:カニバリゼーションとは、自社の新商品が自社の旧世代の商品を侵食してしまう「共食い」現象のことをいう。缶 コーヒーの価格は慣習価格である為、高価格へのシフトは無理がある。
(イ) 「ヒーコ・マウンテン」に贈答品としての特性をもたせ、専門店のチャネルを開拓すべきだ。
→○:ギフト専門店などの新しいチャネルを開発することは有効である。
(ウ) 「ヒーコ・マウンテン」は好きな人は好きというタイプの商品であるので、販売地域が限定されないインターネット販売をすべきだ。
→○:販売地域を限定しないインターネットというチャネルを利用することは有効である。
(工) 「ヒーコ・マウンテン」を消費者によく知ってもらうために、テレビCM を広く流すべきだ。
→○:新しいブランドである「ヒーコ・マウンテン」のブランド認知度を高める為にも有効である。

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設問28

解答:エ

パッケージリングに関する問題である。

(ア) 商業包装は、商品の物流のための包装である。
→×:商業包装とは消費者の手元に渡る最小単位の包装のことである。商品の物流のための包装は物流包装である。
(イ) 段ボールによる外箱は、通常、個装と呼ばれる。
→×:段ボールによる外箱は、通常、外装と呼ばれる。
(ウ) 内装とは、商品一つひとつを包装することである。
→×:商品一つひとつを包装することは個装という。
(工) 流通チャネル特性に応じた包装が採用される。
→○:正しい。

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設問29

解答:ウ

(ア) 好景気が続いている場合
→×:好景気時は需要が供給を上回ることが多いため値下げの必要性は低い。
(イ) 市場シェアが上昇している場合
→×:市場シェアが上昇している場合は、経験曲線効果が働きコスト低下による値上げを実現することができる。しかし一般的には市場シェアが上昇している場合は値段の変更は行なわず静観している場合が多い。
(ウ) 市場全体の供給が大きく需要を上回っている場合
→○:供給が需要を上回っているので値下げする必要性は高い
(工) 生産能力の余力が無い場合
→×:値下げにより、仮に需要が拡大しても生産能力がないのでは値下げの必要性はない。

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設問30

解答:ウ

ダイレクトマーケティングに関する問題である。

【解答群】
(ア) インターネットだけで、受注、代金授受、商品配送を行うことのできるサービス商品が出てきている。
→○:正しい。アマゾンや楽天など実際に行なわれている。
(イ) 宅配業者が翌日配送を原則としているので、出荷までの時間を短縮しないと、顧客は社内の処理が遅いと感じてしまう。
→○:消費者は宅配業者の迅速性(翌日配送を原則)を認知しているのでタイムラグが大きいと社内の処理が遅いと感じる。
(ウ) 無店舗販売なので、店舗と連動しないほうが、消費者満足を向上させることができる。
→×:店舗と連動させたほうが、消費者満足を向上させることができる。
(工) 有料であっても付加サービスを多くして、サービス水準の選択の幅を広げる必要 がある。
→○:消費者ニーズが多用しているので例え有料であっても顧客に対するサービスを向上させることは重要である。

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